1.はじめに
以下の記事では、複数の理由から「私がマイホームを持たない理由」を述べてきました。 これらの理由も当然ありますが、あえて明言を避けてきた“本質的な理由”が1つあります。

今回、第二編としてこれを書くにあたり、私は躊躇していました。
それは、ここで述べる内容が、マイホーム所有者にとって辛辣・過酷に感じられる可能性が高いのではと考えていたからです。
しかし、私が実家の不動産相続問題を経験したことで、 これまで漠然と捉えていた 「私がマイホームを持たない本質的な理由」 を言語化することできました。これは、将来にわたる「自分自身への戒め」として残しておきたい内容でもあります。

だから今回、覚悟を持って掲載することにしました。
もし、「そんな話は聞きたくない」「読むと気分が悪くなるかもしれない」 と感じる方は、無理に読み進めなくても問題ありません。 これはあくまで 私の価値観と選択にすぎません。
2.私がマイホームを持たない理由
第一編では述べていない、「私がマイホームを持たない本質的な理由」は、端的に言うとこれです。
マイホームは負債になる(資産にならない)可能性が極めて高いから
※ただし、大都市圏などは除きます。以下では、その考え方を述べます。
(1)お金と時間を奪われる
マイホームは建てた瞬間から価値が低下し、 数十年後には建物の価値はほぼ無くなると考えています。 (※土地には一定の価値が残る可能性があります)一方で、建物を適切な状態に保つためには管理・修繕が欠かせません。
しかしその管理・修繕には、お金だけでなく、時間と手間を奪われます。
30代で家を建て、ローン返済が完了する35年後には老後を迎えます。 自分も建物も老朽化が進んでいる状況で、 管理や修繕にお金だけでなく時間や労力を奪われることを想像すると、 とても「資産」とは考えられません。
本来、自分に利益をもたらすものが資産なのではないでしょうか。
(2)売るに売れない可能性が高い
「土地には価値があるのだから、売却すれば良い」という考え方もあると思います。 しかし、現在の日本では以下の現象が進んでいます。
- 少子化
- 超高齢化
- 人口減少
- 大都市への人口流出
2040~2050年代、地方では 需要減少・地価下落・空き家率の増加 が予想されています。このような状況で、 築40年超の地方の家に買い手がつくとは考えにくい というのが私の見立てです。
(3)相続問題が発生する
親世代はマイホームを「資産」と認識していても、 子ども世代は「負債(=不要)」と捉える可能性があります。実際、現在の日本で発生している相続問題の多くは、これが原因ではないでしょうか。
「不要なら相続放棄すれば済む」という意見もありますが、 現在の法律では、相続放棄しても 次の管理者が見つかるまでは近親者に管理義務が発生する可能性 があります。
- 誰も住まない
- 売るにも売れない
- 管理に時間とお金を奪われる
これが本当に「資産」と言えるのでしょうか?
- 自分が子どもの立場ならどう感じますか?
- 兄弟がいたらどう分割しますか?
- 長男にだけ押し付けますか?
- それで家族は幸せになりますか?
以上3点より、人生の自由と時間を奪われることから「マイホームが負債になる可能性が極めて高い」と考えています。
3.私の価値観に対する意見への回答
前述した理由から、私は賃貸派でいる予定です。この価値観に対して、よくいただく質問があります。
ここでは、それらへの私の考えをまとめます。
(1)「将来、高齢者は賃貸できなくなるのではないか?」
「給与収入の無い高齢者は賃貸できないからマイホームを持つべき」 と言われることがあります。しかし私はこう考えています。
家が余る時代が来るため、高齢者でも入居できる可能性が高まる
2040〜2050年代の人口構造を見れば、 地方では「高齢者がほとんど」という状況が普通に起こりえます。
収入が無くても、 家賃の支払い能力(金融資産残高の証明など)があれば賃貸できる可能性があります。 保証会社利用や子ども名義での契約など、選択肢は複数あります。
(2)「自分の家や土地に愛着や思入れはないのか?」
この問いは感情論的な側面が強いと考えています。
自分(や子ども世代)が、 お金・時間・手間をかけて管理・修繕してでも残したい家・土地であれば、 そういう選択もあると思います。
ただし、 負担と感じるのであれば、無理に残す必要はない というのが私の価値観です。
(3)「賃貸の方が総支払額が高いのではないか?」
これは条件によるため、一概には言えません。
ただし、私が強調したいのはここです。
老朽不動産を持ち続けること、またそれを子どもに相続することは、 支払額だけの問題ではない
自分(と子ども世代)の時間・労力を使うことになる
- 売れない家の管理(庭の手入れなど)
- 修繕の手配・立会い
- 固定資産税の支払い手続き
- 近隣トラブルの対応
これらは、金額に換算できない “人生のコスト” です。
賃貸は確かに家賃支払いが続きますが、 老朽不動産の管理・修繕という“見えない負債”を抱えない という大きなメリットがあります。
4.マイホームを所有している方へ
ここまで「家を持たない」という私自身の選択を書いてきましたが、すでに家を購入している人が多数派であることも理解しています。(賃貸にはない、マイホームのメリットがあることも理解しています)
家を買ったこと自体が問題なのではありません。 問題なのは、
- マイホームが「資産になる」と認識していること
- マイホームの「出口戦略」を設計していないこと
人口減少する日本では、よほどの好条件(大都市圏など)でない限り、マイホームは資産になりにくいと考えています。逆に資産になっているのであれば、賃貸物件にしたり、価値のあるうちに売却したりして、利益を得た方が合理的です。
マイホームを「資産」ではなく「消費財」と捉え、適切なタイミングで整理(売却・解体)することが重要 だと考えています。
- いつまで持つかを検討する
- 価値のあるうちに売却する(買い手がつくうちに)
- 相続前に整理する(自分が元気なうちに)
- そこに向けた計画を今から進める
これらを進めることが、 自分と家族の将来を守る選択につながる可能性があります。
5.まとめ
本記事では、私がマイホームを持たない本質的な理由を述べました。これはあくまで私の価値観です。
マイホームを持つことが良い・悪い、正しい・間違いという話ではありません。ただし、以下を意識して人生を設計する必要があると考えています。
- 不動産を持ち続けている限り、誰かがお金・時間・手間を掛けて管理しなければならない構造が残る
- 不動産管理が、あなたや家族の人生の自由度や時間を奪う可能性がある
世間で語られる不動産相続問題は、 まさにこの構造が具現化したものではないでしょうか。
これを他人事として先送りするか、 自分事として捉え、計画的に実行に移すかは、あなた次第です。
